地酒がおいしい!新潟の日本酒が有名になった理由は?

コラム・お役立ち情報

多くの方にとって、「新潟と言えば“お米”」というイメージがあるはずです。しかし、日本酒好きの間では、実は“お酒”という声が挙がることも少なくありません。今回は、おいしい地酒を生み出し続ける新潟の、酒造りの歴史や風土についてお伝えしていきます。新潟暮らしをはじめようとお考えの方は、ぜひご一読ください。

新潟の酒の特徴は?歴史は?

淡麗辛口な味わいが魅力の新潟のお酒。地酒ブームの折には、多くの方から人気となり、広く知られるようになりました。しかし、ここまでの知名度になるまでには長い歴史と苦労があったのです。

戦後、日本中の人々はその貧しさから甘いものに飢えていました。そのため、日本酒も甘口の種類が人気となっていました。一方、ミネラル成分の少ない軟水が特徴だった新潟の酒は、極寒という土地柄もありつつ、淡泊な味わいでした。甘口が好まれる時代には不釣り合いであったと言えるでしょう。

しかし時が経ち、国が豊かになってくると、日本人の味覚も多様化していきます。そんな中訪れた地酒ブーム。ここでサラサラとした端麗さが魅力の新潟の酒が注目を浴び、今では多くのファンを獲得するまでに至ったのです。

おいしいお米が日本酒造りに適している!“酒造好適米”とは?

酒造好適米とは、その名の通り“酒を作るのに好ましく適した米”という意味です。新潟はコシヒカリをはじめとする米所として有名ですが、実はこの酒造好適米についても数多くの品種を開発しています。

酒好きの間で高い評価を受ける「山田錦」。その次に名前が挙がるのが、新潟の誇る酒造好適米である「五百万石」です。2大酒米とも呼ばれるこの品種は、キレのある口当たりと果物のような甘い香りが同居する淡麗辛口さが特徴。旨みは極上。新潟の地酒の多くに利用されています。

その他にも、大吟醸を目標に作られた「越淡麗」も有名です。これは、前述の山田錦と五百万石を掛け合わせた傑作。口の中に広がる旨みが特徴です。

“酒造好適米”を作る!新潟県の日本酒を支える風土の条件

なぜ新潟ではこのような酒造好適米を作れるのでしょう? その理由のひとつに、豊かな土壌があります。信濃川から運ばれてきた粘土質が蓄積した土壌には、多くの養分が含有されています。そのため、化学肥料なしでも、栄養をたっぷり吸収しながら米が育ちます。

また、日中は暑く夜間が涼しいという気温差を利用できるのもポイントのひとつ。酒米作りに適した環境が揃っているのは、大きなメリットでした。さらに、土壌の栄養分を染みこませながら流れてくる春の雪解け水も重要な要素です。
そもそも米作りに適した環境が揃っていた新潟。食用だけでなく、日本酒用の米が作られるようになったのは必然と言えるでしょう。

新潟の銘酒“越の三梅”とは?

最後に、新潟が誇る三大銘酒についてもご紹介しておきましょう。

  • 越乃寒梅(石本酒造)
  • 雪中梅(丸山酒造場)
  • 峰乃白梅(福井酒造)
  • 上記の三種は日本酒愛好家の間では非常に有名で、とくに「雪中梅」と「峰乃白梅」については、入手が困難だった経緯もあり、「幻の」という枕がつくこともあります。バブルの時期にはプレミアが付き、百貨店などで1万円以上の値になっていたこともあるのだとか……。“越の三梅”がいかにおいしいかを物語るエピソードですね。日本酒好きの方なら、いつかぜひ飲み比べをしてみてください。

    このように、米作りで有名な新潟は、実は酒造りの名産地でもあります。さまざまな好条件が揃い、米農家と酒蔵の皆さんが試行錯誤の末つくりあげた銘酒は、今なお多くの人々の舌を魅了します。これから新潟で暮らしたいとお考えの方は、日本酒もその楽しみのひとつに加えてみてください。

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