新潟県下越地方にある五泉市。越後平野の東に位置し、市内には能代川と阿賀野川、その支流の早出川が流れ、北側以外をぐるりと山に囲まれた、自然豊かな地域です。今回は、そんな同市の魅力や地域情報についてお伝えします。
五泉市の特色・歴史
中世には上杉氏の支配地だった同市。謙信死後に起きた「御館の乱」以降は、敵対した元家臣・新発田氏の最前線の拠点となります。江戸時代には村上藩の一部となりますが、藩主である堀直寄の次男・直時によって旧村松町を中心に安田藩が生まれます。その後、現在の地名にもある村松藩へと名前を変えました。同藩は明治維新を迎えると村松県になりますが、その後は新潟県に編入されました。2006年に、旧五泉市と旧村松町が合併し、現在の形となったのです。
この地域は、古くから京都の丹後、滋賀の長浜に並ぶ絹織物の産地でした。その名残から、現在はニット産業の生産地となり、大手のアパレル会社からも信頼される製品が作られています。この他にも、「ENIT」という市のオリジナル商品の製造も行なわれているようです。
農業では、周囲の山々から流れる栄養豊富な川の水のお陰で、たくさんの農産物が作られています。県内有数のチューリップの産地でもあり、牡丹の苗木の生産は全国1位を誇るほど。この他にも、里芋やキウイフルーツ、レンコンなどの栽培も豊富で、おせち料理にも使われるクワイやタケノコ、クリなども栽培されています。
五泉市の交通アクセス
同市では、JRとバスの2つの交通機関が運行しています。JRは磐越西線が走っており、東に向かうと福島県会津若松市を経由して郡山市まで行けます。西に向かえば、新潟市秋葉区の新津駅へ向かうことも可能。新津駅からは新潟市、三条市方面に向かう信越本線、新発田市方面に向かう羽越本線に、乗り換えできます。市内には咲花駅、馬下駅、猿和田駅、五泉駅、北五泉駅の5つがあるので、最寄りの駅をチェックしておくといいでしょう。
バスは、新潟交通観光バスが運営する路線バスと、市営のコミュニティバスの2つがあります。路線バスはそれぞれ五泉営業所から五泉駅を経由し、新津方面に向かうものと阿賀野市中心部に向かうものの2路線です。コミュニティバスは五泉高校前から南の村松方面へと向かい、戻ってくる路線です。村松方面に向かう時にも、利用するといいでしょう。また、磐越自動車道安田ICが近いので、市内から高速バスもでています。こちらからも新潟市内へ向かえます。
旧五泉市と旧村松町の中心地に人口が集中していることもあって、交通機関もそちらに集中しています。もし、それ以外の地域に向かう場合には、乗り合いタクシーか、自家用車などを利用しましょう。
新潟市内へは電車も信越本線への乗り換えが容易で、バスや自家用車でも高速道路を使ったアクセスがしやすく便利です。
五泉市の天候
新潟県は、年間平均気温が13.9℃、年間降水量が1821mm。東京と比べると2℃ほど温度は低く、300mm近く雨の多い地域です。五泉市も基本的に同じような気候で、最低気温はマイナス2℃ほどまで下がり、最高気温は高くて30℃を超える場合があるでしょう。基本的には関東よりも冬は少し寒く、夏は少し涼しい気候です。
新潟では、年間を通して降る雨に注意が必要です。日本海側では、大陸から流れてくる空気が海面の水蒸気を集めることで、雨雲が発達します。この雨雲が、山に当たることで、山間部に大量の雨や雪を降らせるのです。ただし、山間部の豪雪地帯ほどではなく、最も雪の降る12月～3月のうち、10cm以上積もる日は数えるくらいあるか程度。そこまで心配する必要はないかもしれません。ただ、大雪になると40cmまで積もることも稀にありますので、雪の対策はしておきましょう。
五泉市の人気スポット
同市の特徴は、特産品のチューリップに牡丹、そして周囲の山々の自然です。市内には、これらを活かした観光スポットがたくさんあります。
県内有数の生産量を誇るチューリップと牡丹を使ったイベントが人気です。チューリップのイベントは、農家の人たちが収穫する前のチューリップ畑を見てもらおうと始めたものでした。150万本のチューリップが植えられた光景は圧巻の一言です。牡丹は五泉市東公園内に作られたぼたん園で見られます。こちらも120品種、5000株という驚きの多さです。
この他にも、旧村松町にある村松城は、現在は公園として整備されており、4月～6月にかけて、梅や桜、特産品の牡丹に花菖蒲が咲く花の名所で、春先の散策にもってこいです。この他、公園内の郷土史料館では地域の歴史も学べます。
ドライブや夏の避暑にもぴったりなスポットにも注目です。南側の山中にある早出川には早出川渓谷と大きなダムがあり、ダムまでの道のりは人気のドライブコースになっています。秋になると紅葉に染まった山々を眺められるとして、人気のスポットになっています。
水のきれいな街でもある市を代表する清流、仙見川も人気のスポットのひとつ。夏場には下流域が子どもたちの遊び場となる川ですが、上流の仙見川渓谷まで行けば、底が透き通って見える程の透明な水が流れています。
この他にも、この近辺にはチャレンジランド杉川というキャンプ場があります。テントの貸出も行っているのでご家族連れにはもってこい。利用申請は3ヶ月前となりますので、早めに予定を立てて足を運びましょう。
五泉市は自然の豊かさと特産品の多さが特徴的な街です。特にチューリップと牡丹はただの特産品ではなく、目でも市民を楽しませています。周囲には豊かな自然の息づく山々がそびえるのもこの街の特徴です。新潟県にお住まいの際には、ぜひ居住をご検討ください。
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